嗄声(声のかすれ)の原因として声帯結節声帯ポリープポリープ様声帯がよく見られる声帯病変です。会話中の声帯は男性で毎秒 100 〜150回、女性で200〜300回も両側声帯が振動し接触しており、最も強く振動の負担のかかる声帯の前1/3の部位に両側性に小隆起が形成されたものが声帯結節です。保育士、教師、歌手、アナウンサー、僧侶など声を多用する職業の人と大声で長時間しゃべる小児に多発します。発症の原因は声の酷使(多用、乱用)や間違った発声法にあるとされております。小児では変声期を経過すると自然治癒が見られることが多いので経過観察とし、成人では声の安静を含む音声療法や吸入療法など保存的治療を試みても不変であれば手術療法を行います。手術は2泊3日程度の入院で可能な顕微鏡下微細手術を行います。声帯ポリープは上気道感染による激しい咳発作、カラオケ、叫び声など声の酷使が誘因と考えられ、強い機械的刺激で声帯粘膜下に小出血が生じることでポリープが形成されると考えられております。初期の小さなポリープなら保存的治療のみで消失することも希ではありませんがある程度大きくなたものは手術的に切除します。ポリープ様声帯は両側声帯全体にわたり浮腫状に腫脹したもので、40歳以上の喫煙者に多く、腫脹が高度の場合呼吸困難をきたすことがあります。受動喫煙を含め喫煙が原因と考えられています。大部分は手術しなければ改善しません。もちろん軽度の場合は保存的治療で経過観察します。その他に声帯白斑症という前癌病変、癌、乳頭腫や声帯麻痺のこともあり、早めに耳鼻咽喉科での診察が必要です。検査は喉頭内視鏡検査と場合によっては組織検査が必要です。

 

ホームへ戻る